4月19日 現代法入門
第2回 法とは何か
1、「法」と「法律」/法源
問題1
「法」には、どのような種類のものがあると思いますか?
思いつくだけ挙げてください。
解答
制定法=憲法、法律、政令、省令、規則、条例
慣習法
判例・・・裁判例が法として通用する
学説・・・学者の見解が法に影響を与える
条理
条約
自然法
憲法、民事法、刑事法は制定法である
ここでいう制定法は議会制定法である
刑事法(刑法、刑事訴訟法など)
民事法(民法、民事訴訟法など)
問題2
次の12の「法」のうち、日本の裁判官が従わなくてはならないものはいくつありますか?
憲法、法律、政令、省令、規則、条例、慣習法、判例、学説、条約、条理、自然法
正解
2個
→憲法76条3項で明記されている
憲法、法律
法の適用に関する通則法3条
→一定の慣習は法律と同一の効力を持つ(=慣習法)
例)商法1条2項(商慣習)
民法92条
民法228条、民法236条
民法263条
憲法98条1項
→憲法は最高法規である(憲法>条約?)
憲法98条2項
→条約を「誠実に遵守することを必要とする」
*ある学説によると、憲法に反する条約は効力を発しないと主張する
ということは・・・
裁判官が従わなくてはならないのは
憲法
法律
(法律上一定の効力を持つ)慣習法
・法源
裁判官が裁判でしたがうべき基準
制度上の法源
↕
事実上の法源(=裁判官が事実上従っている基準)
→判例、学説、条理
2、法の体系
問題3
法律同士の関係について述べたものとして適切だと思うものを、次の選択肢から1つ選んでください。
A、違う法律である以上、一国の法であっても法律同士に文言や理論的内容の矛盾があっても構わない
B、違う法律であっても、一国の法である以上、法律同士に文言や理論的内容の矛盾があってはならない
・法の段階的構造
「現代法学入門」P53の図
・上下の法の間に矛盾があると思われる場合
1)下位の法を上位の法と矛盾しないように解釈する
→教科書P9
2)裁判官が下位の法の効力を否定する
例)最高裁判所判例平成25年1月11日 厚生労働省:薬事法 PDFで見る(外部サイト)
最高裁判所大法廷判例平成20年6月4日 旧国籍法3条1項詳細(外部サイト)
3、法の分類
教科書P7、P8を読むこと
- 最終更新:2013-04-28 12:29:44